厚生労働省と川崎市は27日、新型コロナウイルスのワクチンの集団接種を想定した訓練を同市内で実施した。全国で初となる試みで、市職員ら約60人が参加。感染のリスクが増す「3密」を避けながら、スムーズに接種を進めていくための流れを確認した。
新型コロナのワクチンは、一般的なワクチンと異なり、大規模な集団接種になることも想定され、自治体によってはノウハウが十分にあるわけではない。結果は今後、全国の自治体と共有し、ワクチン接種の開始に備えるという。
会場となった市立看護短大の体育館には、接種前の問診ブース3カ所と、接種するブース2カ所を設置。接種を受ける人が待機する場所にはパイプ椅子が間隔をあけて置かれた。受付から接種が終わるまでに、1人につきどれぐらいの時間が必要かも確認。10~30分ほどかかり、接種順が後になるほど時間がかかった。
川崎市の福田紀彦市長は「今回の訓練で得た知見を全国のためになるようにしたい。接種への期待は高まっていると思うが、リソースは限られている。国にはスピード感だけでなく、実情にあわせた正しい情報発信をお願いしたい」と話した。
国内では、米製薬大手ファイザーが、ドイツのバイオベンチャー「ビオンテック」と共同開発したワクチンの薬事承認を申請中。政府はファイザーと、年内に約1億4400万回分(約7200万人分)のワクチン供給を受けることで正式契約している。厚労省はワクチンが承認されれば、2月下旬にも医療従事者から接種を始める方針。(野口憲太)
Source : 社会 – 朝日新聞デジタル